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まちづくり・タウンマネジメント

歩行者天国の自転車対策をAIカメラで補う|秋葉原・中央通りでの実証実験

歩行者天国の自転車対策をAIカメラで補う|秋葉原・中央通りでの実証実験

・導入前の課題

秋葉原・中央通りでは日曜日に歩行者天国が開かれ、国内外から多くの方が訪れます。

歩行者天国では自転車の乗り入れが禁止されていますが、乗ったまま通る自転車は後を絶ちません。

歩行者天国を安心して歩ける場所に保つうえで見過ごせない課題です。

  • 自転車への対応は警備員による声かけに頼っている
  • 広い範囲を見守るには多くの人手がかかり、警備の委託費用も大きい
  • 人ごみの中をゆっくり走る自転車や警備員の視線の外を通る自転車には気付きにくい
  • どこから・いつ自転車が入ってくるのかが記録に残らず、配置を見直せない

秋葉原のまちづくりを担う秋葉原タウンマネジメント株式会社様と、AIカメラがこの負担の一部を補えるかを確かめる実証実験を行いました。

秋葉原タウンマネジメント様と秋葉原・中央通りの歩行者天国で、AIカメラが自転車を見つけられるかを確かめた実証実験の事例です。
2026年9月には「検知と通知」「音声での案内」「検知結果の照合」の3つを現場で試しました。
実証で見えた課題を踏まえて本格運用に向けた検討を続けています。

声かけだけでは追いつかない3つの理由

自転車への対応は警備員の声かけで回っています。
足りないのは人の数というより、人の目だけで見守る仕組みそのものです。

「歩行者天国内は自転車走行禁止・パフォーマンス禁止・物品販売禁止」と書かれた中央通りの歩行者天国の案内板 歩行者天国の案内板|自転車の走行は禁止されている

理由何が起きているか
見る範囲が広い長い区間を限られた人数で見守るため、警備員の視線の外を通る自転車が出る
人ごみに紛れるゆっくり走る自転車は人の流れに隠れて気付きにくい
記録が残らないどこから・いつ入ってきたかが残らず、警備の配置を見直す材料にならない

警備員を増やせば見える範囲は広がりますが、委託の費用もそのまま増えます。
記録が残らない点は人を増やしても変わりません。

見つける役をAIカメラに任せられるかを確かめる

弊社がご提案したのは、警備員の負担の一部をAIカメラで補えるかを実際の歩行者天国で確かめることです。

AIカメラは決めた範囲を途切れなく見続けます。
自転車を検知するとその場の写真を付けて担当者のスマートフォンに知らせます。
声をかけるべき場面を知らせてもらえれば、人が全体を見張り続けなくても対応できる範囲が広がります。

もう1つの狙いは記録です。
検知のたびに日時と場所が残るため、自転車がどこから・いつ入ってくるのかを後から数えられます。
人の目だけでは残らなかった情報です。

ただし、AIカメラの検知の精度は製品の性能だけでは決まりません。
どの距離・どの角度で対象を捉えるかで変わります。
そのため、まず1日だけ常設に近い条件で試すところから始めました。

実証で確かめたこと

項目内容
実施日時2026年9月27日(日)13:30〜16:00(約2時間半)
実施場所秋葉原・中央通りの歩行者天国(千代田区外神田)
実施体制秋葉原タウンマネジメント様・弊社
使用機材AIカメラ 2台(Verkada CB62-TE・CB63-E)/ホーンスピーカー 1台(Verkada BZ11)
設置歩道上の仮設ポールに、高さ約4mで設置

秋葉原・中央通りの歩道に立てた仮設ポールと上部に付けたAIカメラ(来訪者の顔はぼかし加工) 歩道上の仮設ポールに付けたAIカメラ(来訪者の顔はぼかし加工)

カメラの高さは建物や既存の設備に常設する場合に近い条件にそろえました。
手軽な高さで試して良い結果が出ても、本番の設置で同じ結果になるとは限らないためです。

(1)自転車を検知してスマートフォンに知らせる

AIカメラが自転車を検知すると、検知の種類・日時・カメラ名・その場の静止画を付けた通知が担当者のスマートフォンに届きます。
通知からはその場で前後の映像も確認でき、警備員が先回りして動けます。

スマートフォンに届いたAIカメラの通知2件。自転車と電動キックボードの検知を日時とその場の写真付きで知らせている スマートフォンに届いた通知|左は自転車・右は電動キックボードと判定された電動アシスト自転車

アラートの条件やカメラのズームは現場に行かなくても管理画面から変えられます。
運用しながら設定を詰めていける作りです。

(2)検知と連動して4か国語で案内を流す

検知と連動してホーンスピーカーから「自転車や電動キックボードから降り、押して通行してください」という案内を流しました。
日本語・英語・韓国語・中国語の順です。
音量を最大にすると通行人が振り向くほど、案内の声はしっかり届きました。

(3)映像検索の数とアラートの件数を照らし合わせる

アラートがどの程度拾えているかは、アラートの件数だけでは分かりません。
録画した映像を検索して自転車の通行数を数え、アラートの件数と照らし合わせました。

人の目が届かない場面もカメラには映っていた

約2時間半でAIカメラは自転車に乗った人と押して歩く人をあわせて23件検知し、検知から数秒で写真付きの通知をスマートフォンに届けました。
電動アシスト自転車が「電動キックボード」として検知された例もあり、自転車以外の乗り物も対象として捉えています。

AIカメラの映像。歩行者天国の車道を自転車に乗ったまま通る人とその奥を歩く人たち(顔はぼかし加工) AIカメラの映像|人ごみの中を乗ったまま通る自転車(顔はぼかし加工)

映像を見返すと、警備員が別の方向を見ている間に通る自転車や人ごみの中をゆっくり走る自転車もカメラに映っていました。
声をかけても自転車を降りない人もいました。
警備員の方の対応に問題があったのではありません。
人の目だけですべての自転車に気付いて声をかけるのは、もともと難しいということです。
途切れなく見続けるカメラは人の目を補う「もう一つの目」になり得ます。

一方で、映像検索で数えた通行数と照らし合わせると、アラートが出たのは通った自転車の一部でした。
特に乗ったまま通る自転車は拾いきれていませんでした。

実証でわかった3つのこと

  • 自転車を検知できた:電動キックボードも含めて検知し、写真付きの通知で知らせられた
  • 人の見落としを補える:人の目が届かない場面も、カメラは途切れなく捉えていた
  • 精度を左右する条件がわかった:2台を比べたことで、画角・距離・高さが検知の数を左右するとわかった

本格運用では、適した画角・距離・高さで沿道にカメラを常設し、検知を警備員に知らせて必要な場面だけ動く形を目指します。
どこから何台来たかを時間と場所付きで記録すれば、乗り入れの多い場所と時間帯に人を置けるようになります。

撮りためるだけで終わらせない

防犯カメラやAIカメラは、映像を撮りためるだけでは街の判断に生かせません。
弊社はAIカメラ映像データ分析サービス「ミエラボ」で、次の4つの段階を一続きにすることを目指しています。

  1. 見る:安全・防犯・混雑を一つの画面で数字にする
  2. 気付く:平常時との違いを数字で知らせる
  3. 原因を分析する:映像やイベント・天候から仮説を示す
  4. 次の手を打つ:今日打てる手を提案し、現場に知らせる

2から4はAIが受け持つ領域です。

ミエラボで目指す画面の構想イメージ。歩行者天国への進入検知・深夜の滞留・混雑時間・通行人数と人流のヒートマップを一つの画面に表示(数値は説明用の架空のもの) ミエラボで目指す画面の構想イメージ(表示している数値は説明用の架空のもの)

同じ課題をお持ちの方へ

「歩行者天国やイベント会場で限られた人数での見守りに限界を感じている」「警備の配置を経験ではなく記録をもとに決めたい」といった課題は、多くの商店街や施設に共通しています。
店舗・オフィス・ビルの出入口の安心・安全を確保したい方も、その映像を分析して次の一手に生かしたい方も、お気軽にご相談ください。
一つ一つの店舗やビルの取り組みが点から線、線から面へと広がれば、街全体の取り組みにもできます。

弊社はAIカメラの機材の手配と設置から、検知データの可視化と分析・運用ルールづくりまでを一つの窓口でご支援しています。
まずは対象のエリアと今の警備の体制をお聞かせいただくところから始めます。

この実証の結果は2026年10月29日の「秋葉原未来会議 成果報告会」でご報告しました。
ニュース「秋葉原未来会議の成果報告会で歩行者天国のAIカメラ実証を報告しました」でもお知らせしています。

※本事例は秋葉原タウンマネジメント株式会社様のご了承のもと掲載しています。

データ活用のご相談から、運用・改善まで一気通貫してお手伝いします

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Liberty Data Design株式会社では、データ活用の構想づくりから、分析基盤の構築、AI導入、運用後の改善まで一貫してご支援しております。

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様々なご相談に、弊社ならではのご提案をいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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