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防犯カメラを施設運営の判断材料に変える|安全から始めるデータ基盤

防犯カメラを施設運営の判断材料に変える|安全から始めるデータ基盤

導入前の課題

防犯、トラブル対応、混雑、駐車場の詰まりのそれぞれに、すでに対策は打たれていました。カメラも警備も入っていて、現場は動いています。それでも運営がよくなったのかを説明できない状態が続いていました。

  • 月次の運営会議で交わされるのは「最近増えている気がする」「先月より落ち着いた」という体感の共有にとどまる
  • 打った対策が効いたのかを、テナントや警備会社が納得する形で示せない
  • 記録は警備会社の日報、テナントの申し送り、管理会社の設備記録に分かれていて突き合わせられない
  • 会議の前半が現状認識のすり合わせで消える
  • 映像は残っているが、人が確認しに行くためのもので、集計の対象になっていない
  • 次年度の警備委託の内容も人員配置も、前年踏襲から抜け出せない

商業施設とオフィス、駐車場が同居する大型複合施設を運営されているお客様の事例です。館内には防犯カメラがすでに行き渡っていて、トラブルが起きたときの確認には使えている状態でした。弊社はその映像を、運営の判断に使える記録に変えるところから着手しています。

この状態が続く3つの理由

打つ手がないわけではありません。警備は委託しているし、巡回も回っています。それでも効いたのかに答えられない。原因は個別の対策ではなく、その手前の構造にあります。

理由何が起きているか
効果を検証できない対策の前後を比べる数字が残っていない
記録が分散している警備会社、テナント、管理会社、運営部門がそれぞれ個別に持っていて突き合わせられない
同じ数字で議論できない会議の前半が現状認識のすり合わせで消える

3つは互いに絡んでいます。数字がないから議論が体感になり、議論が体感だから何を記録すべきかも決まりません。カメラを1台増やしても、この輪は切れません。

設備を足す前に、記録を取る

打ち手として挙がりやすい選択肢は3つあります。ただしどれも効いたのかには答えません。

挙がりやすい打ち手それでは解けない理由
カメラを増設する見える範囲は広がるが、映像を見る人の時間が増えるだけで記録は残らない
警備員を増やすその時間帯の対応は改善するが、翌年の契約見直しの材料にはならない
来館者アンケートを取る実施した期間しか分からず、日々の変化を追えない

弊社がご提案したのは、すでにある設備の位置づけを変えることです。

AIカメラは、館内を守る防犯設備であると同時に、施設の状態を数値化するセンサーとして使えます。同じ1台が、トラブル発生時の確認手段にもなり、来館者数や滞留状況を毎日記録し続けるデータ源にもなります。

この二重の使い方ができると、防犯設備への投資が一度きりの支出で終わりません。設備が、意思決定を支える資産に変わります。

弊社が受け持つのはデータ側です。すでに設置されている、あるいは更新を検討されている設備を前提に、そこから取る数値の設計と、統合・可視化・月次のレポーティングを担います。

まず安心・安全の1本に絞る

施設運営の課題は、売上、回遊、快適性、防災と幅広く並びます。全部を同時に数値化しようとすると、どの指標から手を付けるかの合意に時間がかかり、着手そのものが遅れます。

そこで最初のテーマを安心・安全に絞ることをご提案しました。売上や回遊の指標は立場によって解釈が分かれますが、安全はテナントも警備会社も運営部門も反対しません。

加えて発生件数や時間帯の記録は、警備委託の見直しや所轄との協議、次年度予算の要求根拠にそのまま使えます。

共通の物差しが1本できてから、混雑や回遊の指標を足していく順序にしています。逆にすると、指標の定義を巡る議論から抜け出せません。

実際に取り組むこと

(1)映像を数値にする

カメラの映像から、次のデータを取り出します。

分類取得する指標
来館通行人数(ラインクロスによる入退場カウント)、時間帯・曜日・月別の来館数
滞留区画ごとの滞在人数、混雑度トレンド、ヒートマップ
行列待機人数、待ち時間
車両入出庫台数、車両通行量、車種・色・ナンバー条件による検索
属性性別傾向・服装色などによる映像検索、人物追跡

顔検索など識別性の高い機能は、権限管理と運用ルールを定めたうえで利用範囲を限定します。取れるものを全部取る設計にはしません。

あわせて防犯領域とデータ活用領域を分ける設計をお渡しします。

トラブルや迷惑行為の発生情報は防犯責任者と限定された管理者のみが扱い、来館者数や混雑の統計は個人を識別しない形で運営改善に使う。この線を先に引いておかないと、プライバシーへの懸念が導入の議論を止めます。

何を取り、誰が見られ、どこまで保持するかを決めることが、テナントや来館者に説明できる状態をつくる前提になります。設計の考え方は防犯目的と統計利用を分ける順番で詳しく整理しています。

(2)散らばった記録を一つに集める

カメラのデータだけでは、施設の状態は説明できません。データ分析基盤「ミエラボ」で、館内に散在する記録を取り込んで統合します。

データ内容
AIカメラ来館・滞留・属性・車両
入退館・ゲート通用口の入退記録、時間外の入館
駐車場入出庫、満空、滞留時間
設備・環境空調、照明、エレベーター稼働、温湿度
申し送り・問い合わせ警備日報、テナントからの連絡、クレーム記録
区画テナント区画、共用通路、催事スペースの区分

これらを来館の動き・安全・車両動線の3つのダッシュボードに集約します。3つに絞るのは、関係者が多い場での議論を成立させるためです。見る画面が主体ごとに違うと、会議は再び数字の突き合わせから始まります。

(3)検知を次の一手につなげる

カメラが異常を検知しても、現場で何も起きなければ意味がありません。検知から行動までを一本の線として設計します。

  1. AIカメラが気づく(設備)
  2. その場で音声により警告する(設備)
  3. 警備員が駆けつける(現場)
  4. 運営部門が所轄や関係者へ共有する(お客様)
  5. 数値にして次の一手につなげる(弊社)

弊社が受け持つのは5です。1から4はお客様と現場の体制で回るため、そこに乗る数値の設計と、月次で振り返る仕組みを組み立てます。

課題ごとに、記録の取り方と使いどころを先に決めていきます。

  • 閉店後の滞留や迷惑行為 — 検知件数の推移を追い、警備配置の見直しに使う
  • 共用通路への搬入車両や自転車の乗り入れ — リスクの高い時間帯と場所を特定し、人員配置に反映する
  • 駐車場の入出庫の詰まり — 発生箇所と時間帯を把握し、誘導と案内の見直しにつなげる

配置の根拠をどう組み立てるかは「適正な配置」を決めるデータ設計にまとめています。

1四半期で一度出してみる

はじめから全館に展開する設計にはしません。区画を限定し、1四半期の実証から始めます。

  • STEP 1 — テーマを選び、対象区画と測る指標を確定する
  • STEP 2 — 対象区画で計測を開始し、効果測定用のダッシュボードを構築して1四半期回す
  • STEP 3 — 効果を検証し、計測対象と分析範囲を段階的に広げながら、結果を関係者へ共有する

範囲を絞る理由は、コストを抑えるためだけではありません。何を測れば議論が変わるのかは、実際に数字を出してみるまで分からないためです。一度出してみて、会議で使われる指標と使われない指標を見極めてから広げます。成功基準の決め方は効果検証の設計で扱っています。

変わること

会議の進行役が、現状認識のすり合わせから解放されます。前月比という共通の物差しがあれば、冒頭で数字を確認するだけで済み、議論は打ち手から始められます。

警備計画の担当者が、前年の配置表を見ないで済むようになります。どの時間帯のどの区画で何が起きているかが記録として残るため、人を厚くする場所と薄くできる場所を、根拠を持って決められます。

テナント会や本社への報告資料を、その都度作り起こす必要がなくなります。月次のレポートが蓄積されていくため、警備委託の見直し、催事の評価、次年度計画の立案に、同じ記録をそのまま使えます。

役割分担は、はじめに明文化します。

弊社が持ち込むものお客様からお借りするもの
データ分析基盤「ミエラボ」の提供すでに設置済みの、または更新予定の防犯設備
映像と館内データの統合・可視化運営の重点テーマと現行のKPI
月次の分析とレポーティング防犯・防災・混雑に関する現場の課題感
権限管理と運用ルールの設計支援テナント・警備会社との協議状況と論点

技術は弊社が、現場の知見はお客様が持ち寄る。この線引きを最初に決めておくことが、実証から本格展開へ進めるかどうかの分かれ目になります。

限定した区画で共通の指標が定まれば、同じ物差しを他の館や、テナント会・警備会社との協議へ広げていけます。関係者の巻き込み方は合意形成は誰と何をどの順で、費用の見方は映像活用の費用は何に積み上がるのかで整理しています。

同じ課題をお持ちの企業へ

「防犯カメラは入れたが、運営がよくなったかを説明できない」「会議が毎回、体感の共有で終わる」という状態は、設備の選定ミスではなく、関係者が共通の数字を持っていないことが原因である場合がほとんどです。

弊社は、映像と館内データの統合・可視化から、月次のレポーティングまでをご支援しています。すでに設置済みのカメラがある場合も、まずは現在の設備の構成と、直近の会議で使われている資料を見せていただくところから始めます。

※守秘義務に配慮し、お客様の業種および具体的な内容を一部変更して記載しています。

データ活用のご相談から、運用・改善まで一気通貫してお手伝いします

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